「まね」から始める経営革新
日経ベンチャー7月号に特集されていました。
成長企業の経営者は、例外なく「まね」がうまいのですね。
しかも、ただの「まね」ではなく、他社の優れている部分に学び、自社に合う形で吸収し、自社の経営革新につなげています。
その特集のなかで、いくつかの「実績」が紹介されていました。
キャノン電子の酒巻社長は、「まね」を通して自分自身を成長させてきたそうです。
「キャノンの設計者として[デッドコピー]を何度も繰り返しました。
なぜ、そうしたのか?それは作った人の「設計思想」を自分のものにするためです。
優れた製品には、開発者の人間性が宿っています。
(中略)
デッドコピーを作る行為を通して、「設計の極意」に触れ、会得していくのです。」
殺虫剤などを製造販売している「株式会社サニタケ」は、自社の高収益の秘密を公開しており、年間約1,500人の経営者が見学に訪れるそうです。
サニタケの業績は、売上高が約9億円、経常利益は2億5千万円と、利益率はなんと28%!
見学者の目当ては、当然、サニタケの高収益の秘密を学ぶこと。
高収益の秘密は、社員全員が知恵を絞る、たゆまぬ改善活動です。
サニタケの創業者松岡会長は、見学に訪れる経営者を評して、
「いい経営者かどうかは、まねを始めるまでのスピードで分かる。
視察だけで満足しても意味がない。
良いと思ったら、何でもすぐに取り入れる行動力が大切。」
更に、「まね」からさまざまなものが見えてくる、と述べられています。
「まね」を「まね」のまま終わらせることなく、自分のものとして取り込んでゆく
まさしく、「まねはイノベーションの母」です。そのためには、柔軟な思考と素早い行動力が必要ですね。
2008年7月18日