怪我ではない労災は微妙な判定 (1)

今回は疾病労災補償についてお話します。

仕事中に怪我をした場合、労災かどうかを判定することは、比較的簡単にできます。

では、仕事による病気(アスベスト被害・内臓疾患)や精神に関する疾患についての判断はかなり難しい問題であるという想像はつきますでしょうか?

それは現在の業務による災害の発生なのか、これまでの生活環境による症状の顕在化であるかの見極めが複雑にしていて、これまでにも裁判にまで、もつれることが多くあります。

しかし、最近の労災認定の判例からわかることは、心身に過重のかかる業務に関しては認定基準が柔軟(緩和)になっているようです。

事業主にとっては悩ましいことですが、この問題は、「企業の労働者に対する健康配慮義務違反」と言われています。

これからは脳・心臓疾患を含めてリスクマネジメントする意味でも労働条件の見直しも図る必要がありそうです。

なぜなら、労災認定されると、休業補償や治療費などは労災保険が利きますが、同時に慰謝料や損害賠償請求も本人や遺族からでてくるからです。

それらの請求に対しては自己(労働者)の健康管理を怠っていたことも、ある程度は考慮されて過失相殺できますが、責任そのものを逃れることはできないでしょう。

次回は、過去に問題になった症状について経験も含めてお話する予定です。

2006年8月31日

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