「社長の増税」

税制改正シリーズの4回目です。

「給与所得控除額」の見直しにより、社長の税金が上がる!!

「給与所得控除」ってご存知ですか?

個人事業者であれば、売上から経費を引いた所得に税率をかけて税金を計算しますね。

(1)売上-経費=事業所得  

(2)事業所得-所得控除=課税所得

※所得控除とは、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除など。

(3)課税所得×税率=税額

給与所得者(サラリーマンの方です。社長さんも会社から役員報酬を得ているので、社長さんも給与所得者なのです!)は、個人事業者のような計算をして税金がかかる訳ではありません。

といっても、サラリーマンの経費がナシという事で税額が決まるのではありません。

給与所得者の経費は年収(1年間の給与)に応じて、決められているのです。

この給与収入に応じて決められている経費を「給与所得控除額」といいます。

私は、この給与所得控除額を「サラリーマン経費」といって説明しています。

(以下、給与所得控除額をサラリーマン経費と呼んで説明します)

このサラリーマン経費は、収入が高いほど給与所得控除額も高額になっています。

収入額の約30%くらいが、このサラリーマン経費です。

(年収額に応じて差はありますが、収入が高い方は20%。低い方は40%になります。)

ちなみに、年収600万円のサラリーマン経費は174万円です。(約30%)

という事は、給与所得は426万円です(600万-174万)。

平成23年度税制改正で、給与収入が1,500万円を超える場合のサラリーマン経費は245万円が上限となる事とされます。

それ以上の年収であってもサラリーマン経費は増えないことになります。

高額な給与収入の方は、増税になりますね。

さらに、社長(経営者)や役員(取締役)の場合はさらに増税になる改正があります。

役員報酬額が2,000万円を超える場合は、収入が増えるに応じてサラリーマン経費が減って行ってしまうのです。

高額な役員報酬を得ている社長さんは、個人の税金が大増税になってしまうという事です。

法人の税率が下がり法人の負担税額が下がる代わりに、個人の税額が上がるので社長さんの負担税額は上がってしまう事になってしまいます。

この対策については、後日解説してゆくつもりです。

2011年2月28日

マンガで分かる税務調査省略
「誰が対応するの?」スタッフ紹介
お客様の声「蛭田会計の特徴」
616人の社長が購読中 「安心経営」通信 クリックして無料購読申し込み