個人事業主の給与(役員報酬)の管理

個人事業主の方からよく「事業のお金も家庭のお金もゴチャゴチャになって訳が分からなくなってしまっている」というお話を伺います。

一番の原因は事業用の口座を作らずに、もともと持っていた光熱費や家賃等の引き落とされていた個人口座をそのまま事業用口座に流用されている方が意外と多いということにあるような気がします。

確かにお住まいの近くにある銀行をお使いになっている方が多いのでしょうし、複数の口座を管理するというのは面倒なものです。

しかし個人事業主の方でも、いずれは法人に組織を変更しようと思っている方が多いでしょうから、それこそ法人のお金も個人のお金も一緒になってしまっている、などという事態を防ぐためにも線引きをきちんとした方が良いと思います。

まず事業をやりくりするためには事業の固定費がいくら必要なのかを考え、その固定費を賄うにはいくらの売上があれば大丈夫なのかを計算します。要は損益分岐点ですね。

次に生活していくには毎月いくら必要なのかという家庭の収支の分岐点を計算します。

その収支の分岐点を賄えるだけの金額を、毎月決めた日に、事業用口座から家計用口座に振り替えておくのです。法人の「役員報酬」のような形ですね。

会計ソフトなどで損益を考える時には「事業主報酬」などとして処理したりもします。もちろん税金の計算上は所得になりますが。

なんだ、そんなことか...と思われるかもしれませんが、意外にすっきりとするものです。

もちろん創業当初は資金繰りに追われて、毎月収支はマイナス!そんな悠長なことはやっていられないよ!などとお叱りを受けてしまうかもしれません。

しかし、そのマイナスはいったいいつまで続くのか、どうやってプラスになるか算段はきちんと立っているのかということについても目をそむけてはならないと思います。

そういった意味でも事業計画をきちんと立てるということは重要になりますね。

ちなみに、個人事業者の報酬は、個人の事業所得税を計算する上で、経費にはなりませんので、ご注意下さい。

(このブログで、損益分岐点と記載しているのは、あくまで、資金繰りの損益分岐点になります。資金繰りの損益分岐点については、こちらを参照下さい。)

中小企業診断士 川口貴之

2006年10月23日

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