山田日登志氏のカイゼン

4月15日放送 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、 トヨタ生産方式の伝道者として知られるPEC産業研究所所長 山田日登志氏の「工場再建」の特集でした。

以下、「プロフェッショナルの公式HP」からの一部抜粋です。

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まず、「ムダ」を見つける

山田の工場改革術。それは、工夫次第で必要なくなる作業や設備を見抜くことから始まる。利益を生まない仕事を山田は「ムダ」と呼ぶ。「ムダ」は作業手順や設備のレイアウトなどを少し工夫することで、取り除くことが出来る。そうして生まれた労働力やスペースを最大限に活かして、新製品の製造など新しい仕事を行う。

自分で考える社員を作る

山田が目指すのは、現場の社員たちが工場の利益アップに積極的に取り組むこと。

そのため、山田は改革を強引に推し進めるのではなく、出来るだけ社員の自主性に委ねることを心がけている。社員のやる気を引き出せば、工場は無限に強くなる。それが山田の信念だ。

今回の番組では、創業80年の伝統を誇る名門家具工場の工場改革。

家具市場が縮小するなか、大幅な生産改革を必要としていたが、職人たちは高い技術を持つがゆえに、これまでのやり方を容易に変えられずにいた。

山田に求められるのは、生産性をあげながらも、職人たちがこだわる高い品質を守り抜くこと。

山田は時に厳しい言葉を投げつけながらも、職人たちとのガチンコ勝負に挑む姿が映っていました。

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私が購読している日経ベンチャーにも「山田日登志のカイゼン」という連載があります。

毎回、工場の再建や効率アップの現場レポートが記載されています。

今回のテレビでもそうでしたが、そこでは必ず「カイゼンの提案をする山田氏」と、「その提案(これまでの方法を変える提案)をすぐには受け入れる事ができない現場の従業員」との葛藤や衝突の場面があります。

その衝突を乗り越えて、現場の従業員さんが山田氏の話に耳を傾け、柔軟にそれまでの業務のやり方を見つめなおすことができれば、「カイゼン」は可能となり、成果が現れてくるのです。

今回もここがポイントだったと思います。

かたくなだった現場の従業員さんは、「柔軟に外部からの提案を聞く」、「今までとは違うやり方を受け入れる事ができる」ようになると、そこはその途の現場のプロフェッショナルです。山田氏以上の独創性ある自主性をもったカイゼンが可能になり、更に成果もあがります。

結果、良いスパイラルが起きて、それまでの工程とは異なった工場の業績となります。

日本経済新聞「私の履歴書」、3月は潮田健次郎氏(トステム創業者)が執筆されており、同じような事が記載されていました。

同社が経営効率を高めるために、外部からコンサルタントを招聘し、うまく効率化が図れたとの事。その効果が発揮できた背景として、このような記載があります。

「当社には、社内にその道での権威がいなかった。

だから、外部から招聘した専門家の意見に素直に耳を傾けることができたのだ。

頑固にそれまでのやり方を守っているだけでは、いずれ行き詰まる。」

常に他者の意見を受け入れることができる姿勢、柔軟性を持ち続けたいですね。

2008年4月17日

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