パート雇用のツボ(助成金を活用しましょう!)

今回も社会保険労務士荒木さん執筆の「パート雇用のツボ」を記載します。

『パート雇用のツボ』と題したこのシリーズ、最終回の今回は助成金についてご案内します。

ご案内する助成金は、「パートタイマー均衡待遇推進助成金」という名前です。

財団法人21世紀職業財団が管轄し、パートタイム労働法に基づいて、正社員と共通の評価・資格制度や短時間労働者制度の導入、パートタイマーの能力開発などといった、正社員と同様にパートタイマーを扱おうとする事業主を支援する助成金です。

支給の対象となる「パートタイマー」とは、1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用される正社員に比べ短い労働者のことを言います。

「パート」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「準社員」といった呼び方によって取り扱いが変わることはありません。

この助成金の支給を申請できる事業主の条件ですが、全部で4つあります。

1.労働保険の適用事業主であること

この場合規模は問われませんし、加入してからの期間についても問われません。

2.平成19年7月1日以降に、下記に説明する制度を設け、2年以内に対象者が出ること就業規則又は労働協約に規定することが必要です。

3.社員がいること

社員と同様の待遇に改善するための助成金なので、比較対象となる正社員がいることが条件です。従業員がパートだけという事業主は申請できません。

4.対象となるパートタイマーの二分の一以上が、雇用保険被保険者であること

週の所定労働時間が20時間以上のパートタイマーは、雇用保険に加入しなければなりません。会社や個人の都合で、未加入でいることは出来ません。

以上の4つの条件の下に、パートタイマーを正社員と同様の待遇とする制度を導入し、対象者が発生した場合には、全部で6種類のメニューが用意されています。

【1】正社員と共通の処遇制度の導入

【2】パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入

【3】正社員への転換制度の導入

【4】短時間正社員制度の導入

【5】教育訓練制度の導入

【6】健康診断制度の導入

それぞれの支給金額は下記のとおりです。

【1】1回目 25万円  2回目 25万円

【2】1回目 15万円  2回目 15万円

【3】1回目 15万円  2回目 15万円

【4】1回目 15万円  2回目 15万円

【5】1回目 15万円  2回目 15万円

【6】1回目 15万円  2回目 15万円

それぞれの支給メニューと対象を説明します。

【1】正社員と共通の処遇制度の導入

パートタイマーの仕事や能力に応じた処遇について、正社員と共通の評価・資格制度を設けた上で、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上出た場合。

【2】パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入

パートタイマーの仕事や能力に応じた評価・資格制度を設けた上で、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上出た場合。

【3】正社員への転換制度の導入

パートタイマーから正社員への転換制度を設けた上で、実際に転換者が1名以上出た場合。

【4】短時間正社員制度の導入

短時間正社員制度を設けた上で、実際に短時間正社員が1名以上出た場合。

「短時間正社員」とは

1.正社員と比較して1週間の所定労働時間が1割以上短いこと

2.労働契約期間の定めが無いこと

3.時間当たりの基本給が、同様の業務に従事する正社員と同等以上であること

【5】教育訓練制度の導入

正社員との均衡を考慮した教育訓練制度を設けた上で、パートタイマー延べ30名以上に実施した場合。

【6】健康診断制度の導入

パートタイマーの健康診断(雇入れ時健康診断、定期健康診断、人間ドック、生活習慣病予防検診)の制度を設けた上で、その受診者が1名以上出た場合。

助成金の支給申請までのスケジュールは

[1]平成19年7月1日以降に制度を新たに導入し

      ↓

[2]制度導入後、2年以内に対象者が出たら

      ↓

[3]3ヶ月以内に第1回目の支給申請を行ないます

[4]対象者が出て6ヶ月を経過した日から3ヶ月以内に第2回目を支給申請します

いずれの支給メニューにおいても、1事業主あたり一度限りで、2度に分けての支給となります。【1】【2】のメニューはいずれか一方を選択することになりますが、【3】~【6】とは重複しての受給が可能です。

例えば【1】と【3】~【6】を全て受給できるとすれば、総額で170万円を受給できることになります。

金額を見る限り非常に魅力的な助成金ですね。

しかし助成金全てに言えることですが、お金を貰うことを優先しては経営に良い影響をもたらしません。

この場合ですと、パート従業員に対する雇用管理上の制度を整えて、パート従業員が気持ちよく働ける環境を作ることで、社業を繁栄させようとすることを目的としなければいけません。

折角ある助成金の制度ですので、是非積極的なご活用を検討することをお勧めしますが、くれぐれも手段と目的だけはお間違いのないようにお願い致します。

2008年1月15日

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