パート雇用のツボ(雇用を円滑に行なうためのポイント)

今回も社会保険労務士荒木さん執筆の「パート雇用のツボ」を記載します。

いままでパートタイム労働者総合実態調査結果からの感じることや、パートタイム労働法の改正内容をお伝えしてきました。

そこで今回は、実際にパート雇用を円滑に行なうためのポイントについて、簡単に要点をお伝えしたいと思います。


ポイントその1『雇用契約書をしっかり交わそう』

パートタイム労働法という法律があり、この法律においては「雇い入れの際に労働条件を文章などで明確にしなければならない。」とあります。

労働基準法には全ての労働者を雇い入れる際には、労働条件を通知することとなっていますが、パートタイム労働者に関してはさらに、「昇給の有無」「退職金の有無」「賞与の有無」の3つを明示することが義務になります。

そこで従来の労働条件通知書に3つの条件を加えたものを、パートタイム労働者用として用意しなくてはいけません。

私が従来からお勧めしている方法は、『雇用契約書』を交わそうということです。
法令は『通知書』とありますが、私のお勧めはあくまでも『契約書』。

二つのことは大した違いではないように思えるでしょう。

そもそもこの法律が改正になった背景は、個別間の労働トラブルが多発していることに因るものです。
正社員さんとは、雇用契約書を交わしている会社さんが多いと思いますが、パートさんとなると、交わしていない会社さんが多いようです。

通知書というのは、使用者側が一方的に渡せば済むということになり、雇用時におけるトラブルを防止する効果には疑問が残ります。

そこで契約書の形式を取って、雇い主側と労働者側と双方が捺印することで、確認をしたという証拠を残すことが大切です。


ポイント2『就業規則は万全ですか?』

仕事上多くの企業の就業規則を拝見します。

大抵の就業規則には『従業員の種類』という項目があり、パートを雇用している企業の場合にはこんな規定にしています。

第○条  従業員の種類
   従業員の種類は次の通りとする。
     正社員
     パートタイマー
     嘱託

第○条  適用範囲
   パートタイマー及び嘱託については、別に定めるパートタイマー就業規則並びに嘱託就業規則を適用する。


まず問題点として、パートを雇用しているのに就業規則は不要としている事業主が多くいらっしゃいますし、別に定めるとあっても実際には存在していないことが非常に多くあります。

また、「従業員の種類」という規定が無い就業規則が多く存在していますし、パートタイマーと記載しているだけで、どういう雇用形態をパートと呼ぶかについても、不十分な就業規則が殆どです。

このままであれば、全ての従業員に対し平等に就業規則をあてはめる事になり、その危険性に気付いていません。

例えばパートタイマーが退職金を要求してきた場合、このような就業規則しかない会社では、退職金を正社員と同様に支給しなければならなくなります。

パートタイマーを雇用していているならば、就業規則を整えることに手を抜いてはいけないのです。

もう一度自社の就業規則がどうなっているのかをご確認下さい。


ポイントその3 『社会保険・雇用保険の加入について』

パートタイマーは保険に加入しなくても良い訳ではありません。
労働時間に応じて保険に加入する義務が発生します。

雇用保険の場合は、週所定労働時間が20時間を越える場合。
社会保険の場合は、週所定労働時間が30時間を越える場合には、それぞれの保険に加入しなければなりません(簡略化してお話しています)。

保険に加入するということは、保険により守られる部分と、費用負担が発生することの両面があり、労使双方にメリットデメリットがあります。

事業主やパートタイマー本人の都合で加入を拒むことは出来ません。

最近の労働局や社会保険事務所の監査では、このパートタイマーの保険加入が必ず調査のポイントになります。

偽装問題だけでなく、こういったことにも法令を遵守するという、当たり前のことが求められています。

自分のところだけ加入しなくても大丈夫という甘い考え方でいると、内部告発されるのが今のご時勢です。

進んで対応していく、当たり前の心がけが求められます。





(2007年12月26日公開)

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