パート雇用のツボ(パートタイム労働法改正)

冬期賞与の時期になりました。
今回も社会保労務士の荒木さん記載の「パート雇用のツボ」を記載します。


ちょうど今が賞与の支給時期ですね。
どうらや今回の賞与に関しては、前年を下回る支給内容が多そうですが、皆さんの会社ではいかがでしょうか。

賞与を支給したときは、「賞与支払届」を5日以内に社会保険事務所(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合)へ届け出ることになっています。

今年の4月より、健康保険において標準賞与額の上限が変わり、1回当たりから年度累計となりました。
これにより、年度累計額が540万円を超えた場合の取扱いが非常に複雑になっていますのでご注意下さい。

さて、前回に引き続き、パートタイマーの雇用管理のポイントについて解説をします。

「パートタイムとアルバイトの違いは何ですか?」という質問をたまに受けます。

そして私自身も経営者の方に質問することが良くあります。

学生の身分で働いてくれる人がアルバイトで、そうではない人がパートという答えが一般的なのですが、法律的にはそのような違いはありません。

学生アルバイトが卒業後もそのまま働いている例などもありますが、その際はパートと呼んだほうがよいのでしょうか?

パートタイム労働法という法律があるのですが、ここで言うパートタイム労働者は「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。

通常では正社員の方は1週間の労働時間を40時間とされている場合が多いのですが、それよりも短い時間で働く人のことをパートタイム労働者と呼び、この法律の対象者としています。

ですから「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など呼び方は異なっていても、この条件に当てはまるのであれば、全ての方が「パートタイム労働法」の対象者になります。

そして来年の4月1日から「パートタイム労働法」が改正施行され、新たに企業が対応しなければならない点がいくつか出てきました。

改正のポイントは全部で4つあります。

(1)雇い入れる際は、労働条件を文章などで明確にしなければいけません

労働基準法では、パートタイム労働者も含めて、全ての労働者を雇い入れる際に、労働条件を明示することが義務付けられています。

特に「契約の期間」「仕事をする場所と内容」「仕事の始めと終わりの時間や残業の有無、休日や休暇」「賃金」などは文章で明示することが義務付けられています。

パートタイム労働者の場合、正社員と違って一律的な働き方では無い為に、雇い入れ後にトラブルになりがちです。

そのためパートタイム労働者に関しては、これらに加えて、「昇給の有無」「退職金の有無」「賞与の有無」の3つを明示しなければならなくなりました。

なおこの3つの事項の明示に関しては労働者が希望した場合は電子メールやFAXによる明示でも可能だとしています。

(2)雇い入れ後も待遇の決定について考慮した事項を説明する

パートだからという理由で、仕事の内容も責任も同じであっても、正社員の方との待遇に開きがある場合が多くあり、そこに不満を持つパート労働者が少なからずいるのが現状です。

そこでパート労働者から求められた場合には、事業主は待遇の決定に当たって考慮した事項について、説明しなければならなくなりました。

説明が必要だとされる事項は下記の通りです。

  労働条件の文章交付等、
  就業規則の作成手続き、
  待遇の差別的取り扱いの禁止、
  賃金の決定方法、
  教育訓練、
  福利厚生施設、
  通常の労働者への転換を推進するための措置

(3)パートタイム労働者と通常の労働者とのバランスの取れた待遇にする

正社員と同じ仕事をしているのも関わらず、同様の待遇を受けていない場合には、その待遇を「パートだから」という理由で差をつけることを、この改正法では禁止しています。

これは月当たりの賃金の額はもちろんのこと、賞与や退職金についても同様になり、パート労働者の雇用管理に多大な影響を及ぼすことになりそうです。

具体的には「職務の内容」(業務内容や責任の程度)、「人材活用の仕組みや運用など」、「契約期間」の3つの要件について、通常の労働者と同じかどうかにより、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇の取り扱いについて、規定されています。

(4)パートから正社員へ転換するチャンスを確保する

パート労働者の中には、通常の労働者として働くことを希望しながらやむを得ずパートとして働いている方々もいます。

これは一度パート労働者になると、なかなか正社員になることが難しいことも影響しています。

このためにパート労働者から正社員へ転換するチャンスを整えることが、事業主に義務付けされます。

(5)パート労働者から苦情の申し出は、事務所内で自主的に解決する

事業主は、パート労働者から苦情の申し出を受けたときには、事業所内での苦情処理制度を活用するほか、人事担当者や短時間雇用管理者が担当するなどして、事業所内で自主的な解決を図ることが、努力義務化されました。

本来事業所内で起きた苦情や紛争などは、当事者であるパート労働者と事業主との間で自主的に解決することが望ましいためです。

しかしながら当事者だけでは解決できない場合には、都道府県労働局長による紛争解決の援助や、均衡待遇調停会議による調停が受けられることになりました。


以上非常に簡単に、といっても法律の用語が多いために、それだけで拒否感が出るでしょうが、紙面の都合もあり簡潔に改正の内容を説明しました。





(2007年12月10日公開)

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