活用しよう、エンジェル税制!!

4月の税理士新聞に掲載されていました。「身近になったエンジェル税制 使い勝手が飛躍的にアップ」

エンジェル税制は平成20年4月に改正が行われました。今までのエンジェル税制は”いまひとつ”でしたが、今回の改正で使い勝手が良くなっています。活用の機会も増えてくると思っています。

その内容を簡単に記載します。

まず、改正前のエンジェル税制について。

(1)一定の要件を満たすベンチャー企業への投資額を 他の株式譲渡の益から控除できる。(入口時点での優遇)

(2)ベンチャー企業の株式を譲渡した場合に、譲渡益が生じた場合は、その譲渡益を1/2に圧縮して税額計算する事ができる。(出口での優遇)

(3)ベンチャー企業の株式を譲渡した場合に、譲渡損が生じた場合は、その譲渡損を3年間繰り越す事ができる。(出口での優遇)

(1)と(3)は、他にも株式投資を行なっている方でないと、優遇効果が出ない。

また、給与所得がメインの所得である方や個人時業者にとっては効果が殆どない。

いずれも株式投資で儲けている人にしかメリットがない、といってよいでしょう。

また、(2)はそれなりに業績を上げたベンチャーに投資をした場合。つまり、投資がうまく行った場合でない限り、優遇効果が出ない措置です。

今まではあまり効果のないエンジェル税制で、ベンチャー企業への追い風としての効果は???でした。

今回の改正はベンチャーへの追い風となる可能性が高いです。

その改正の目玉は、投資時点での優遇措置が加わったことです。(その代わり、(2)の譲渡益の1/2圧縮規定はなくなりました。(1)(3)は、そのまま継続。)

新たに加わった措置の内容です。

「一定のベンチャー企業(※)へ投資した時点で、投資額の一定の金額を課税所得金額から控除して所得税を計算する。」

※投資先である一定のベンチャー企業とは、経済産業大臣の確認を受けた設立3年未満で前年、前々年のキャッシュフローが赤字であることなどの一定の要件があります。

しかし、この要件は難しいものではなく、一般的な中小企業でもクリアできる設定になっています。詳しくは、こちらのページで。

その、優遇措置である所得控除額の計算です。

(A)総所得金額の40%

(B)投資額-5,000円

いずれか低い金額を所得控除する。となっています。

(具体例)

総所得金額 1,000万円

ベンチャーへの投資額 500万円

(A)1,000万円×40%=4,000,000円

(B)500万円-5,000円=4,995,000円

※低い方の400万円を所得控除。

繰り返しますが、この新たな措置によって、「ベンチャー企業への投資」のハードルが下がりました。ベンチャーに投資をしたエンジェルにとって、投資時に優遇措置があるからです。

ちなみに、今回の改正の趣旨は、「他の株式投資をしていない投資家も、所得控除制度導入により優遇措置が使えるようにすることで、創業期ベンチャー企業への資金供給円滑化を図り、もってわが国経済の発展を促す。」と謳われています。

2008年4月9日

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