寄与分は認められるか?

遺産相続に関する相談の中で、相続人同士の話し合いがまとまらないケースの一つとして寄与分の問題があります。

たとえば、長男は地元の高校を卒業した後、実家の家業を継いできましたが、弟二人は親元を離れ、それぞれ独立していたような場合に、子三人で均等に遺産を分け合うことが果たしてうまく出来るでしょうか。

寄与分とは、共同相続人の中に被相続人の財産の維持、形成に特別な寄与をした者がいる場合に、この特別の寄与を考慮し、この者に対して特別に与えられる相続財産への持分のことをいいます。

一言でいえば寄与分はなかなか認められるのは難しい、ということになりますが、どのような行為が寄与分となるか、いくつかまとめてみましょう。

(1)寄与分として考慮されるためには、「被相続人の財産の維持、または増加」について寄与されていなければならず、法律で定められた義務の範囲をこえて特別の寄与があったものと評価されなければならないこと。

(2)「特別の寄与」といえるためには、寄与行為をした者が当該寄与行為に対する対価あるいは補償の意味合いとして、被相続人から生前贈与などの便益を受けていないこと。

(3)「特別の寄与」行為と「被相続人の財産の維持、または増加」との間に因果関係があること。あるいは、被相続人の財産が減少する場合においては、寄与行為により財産の減少を食い止めることが出来たと認められること。

このように、(1)(2)(3)の観点に留意しながら、具体的な寄与分の算定については、当該被相続人と寄与分を主張する相続人との身分関係や生活関係によって判断されることになるため、各事案ごとの個別の対応が必要になります。

なかなか話し合いがうまくまとまらない場合であっても、もう一度共同相続人同士でよく話し合い、互いの理解を得られるように努力してみるとよいでしょう。

しかし、もし話し合いが不調となる場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、寄与分の事情を詳しく述べ、自己の寄与分を主張してみるとよいでしょう。


行政書士 小松原励


 






(2007年11月28日公開)

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