消費税の基本的な仕組み

今回と次回に分けて、消費税の基本的な仕組みについて説明します。

消費税は消費者が最終的に商品の購入やサービスの提供を受けることを通じて負担する税金ですが、消費税の納付は消費者自らが行うのではなく、商品の販売やサービスを提供した事業者が行う間接税となっています。

つまり、事業者が販売する商品やサービスの価格に消費税相当額を上乗せすることで、消費者は消費税相当額を負担することになり、事業者は納付すべき消費税を預かる形となります。

そこで事業者が納めるべき税額ですが、消費者から預かった消費税をそのまま納めるわけではありません。消費税の基本的な考え方として、売上げに対する消費税から仕入れに対する消費税を控除した残額を納めることになります。

なおここでいう消費税法上の売上げ、仕入れの概念は一般的な売上高、仕入高とは意味合いが異なるため注意が必要です。

消費税法上の売上げ・仕入れの概念について。
売上げ→商品売上高、役務収益、固定資産の売却収入など
仕入→商品仕入高、旅費交通費、消耗品費、外注費等の費用、建物・機械などの固定資産の購入支出など

仕入に対する消費税を差し引くのは、税の累積を排除するためです。


では、具体例を見ていきましょう。消費税以外は考慮していません。

卸売業者Aが商品を105円(消費税5円)で仕入れ小売業者Bへ210円(消費税10円)売却したとします。
次に小売業者Bが最終消費者であるお客さんCにその商品を315円(消費税15円)で売却した場合。
※A、B、Cともに課税事業者とする。

この場合、それぞれの立場からの利益と消費税の納付額・負担額の関係は以下のようになります。

製造業者A → 売上105円(仕入0円)=105円
  そこから消費税を納める。消費税5円(5円-0円)
卸売業者B → 売上210円-仕入105円=105円
  そこから消費税を納める。消費税5円(10円-5円)
  よって最終利益105円-5円=100円
小売業者C → 売上315円-仕入210円=105円
  そこから消費税を納める。消費税5円(15円-10円)
  よって最終利益105円-5円=100円
お客さんD → 315円の支出(消費税の負担額15円)=ABCの納税合計額


よく誤解されている方がいらっしゃいます。
「うちの消費税納税額は、売上の5%だよねぇ!」と。

いいえ、仕入れに対する消費税を控除して計算します。

控除できないとするとどうなるでしょうか?
卸売業者Aは消費税を10円納めることになりますので最終利益が95円となってしまいます。

売上に対する消費税から仕入れに対する消費税を差し引く意味をご理解いただけましたでしょうか?

今回は、消費税の基本的な仕組みについてお話させていただきました。
次回は小規模事業者(2年前の売上高が5千万以下)だけが選択できる計算方法、簡易課税制度について説明します。

(文責:木戸一貴)

 





(2006年11月30日公開)

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