留保金課税と実行税率

先日(11/14)の日経1面に、「内部留保課税を撤廃」、5面に「法人実効税率30%に」

という記事が掲載されていました。
2つの記事は関連なく掲載されていたのですが、実はこの両方は関連しています。

まず、留保金課税について。

留保金課税とは、同族会社にかかる特別な税金です。
同族会社が一定以上の利益をあげた場合、本税である法人税の他に留保金課税が係ります。(つまり、法人税が増えるのです。)

同族会社でなければ(上場企業など)、様々な株主がいて、業績を上げた場合、配当を出します。配当金が出た場合、配当金にかかる所得税(配当所得)が係ります。

税務当局としては、税金の徴収ができますが、中小企業(同族会社)の場合、一定以上の利益が出たとしても、社長=株主であれば、配当金は出しません。

この場合に、配当所得に係る所得税の徴収が出来ないため、「留保金課税」をかけすよ、という制度です。

「社長=株主」である企業にとっては、会社のお金と社長個人のお金は一緒!と考えた場合、わざわざ配当所得税がかかっても配当は出しません。
(今後、その資金を会社に打ち入れる事になるかもしれないのですから。あえて実額を減らす必要はない訳です。)

さて、留保金課税の計算ですが、(ザックリとです。従って、詳細はお問い合わせ下さい。)1)同族会社とは株主を同族関係者ごとに、グループ分けします。(株主グループといいます。)
持ち株数の多い順で、株主グループの順位をつけ、その上位3グループで50%超の株式を所有している会社が、同族会社になります。
つまり、身内、知り合いが株主の過半数を占め、会社経営もそのメンバーの意向次第である会社です。

2)簡単な計算方法(厳密な計算方法は、顧問税理士又は弊社までお問い合わせ下さい。)

(留保所得金額-留保金控除額)×特別税率 です。

留保所得金額とは、ザックリとですが、
(所得金額-法人税と法人住民税)です。

留保控除額とは、
○定額基準額 1,500万円×当期の月数/12
○所得基準金額 所得等の金額×35%
○積立金基準額 期末資本金額×25%-期末利益積立金額
いずれか、多い方の金額

この(留保所得金額-留保金控除額)の金額が、3,000万円以下であれば、10%の特別税率です。

特別税率の一覧
課税留保金額が3000万円以下の部分    10%
課税留保金額が3000万円超1億円以下の部分   15%
課税留保金額が1億円超の部分           20%

3)留保金額の不適用

○自己資本比率が、50%以下の場合(平成15年4月1日から平成18年3月31日までに開始する事業年度に限り、不適用です。)

○設立後10年以内の新事業創出促進法の中小企業に該当する同族会社

4)留保金課税がかからないようにするには。回避策。

上記の留保所得金額には、繰越欠損金は考慮されませんので、ご注意下さい。

過去に、いくら欠損があろうが、今期に多額の所得が発生したら、留保金課税が係ってくることになります。

従って、対策としては当然、今期の課税所得額を下げることです。
しかし、そうは簡単にはいかないと思います。

今期だけ、高額な所得になるのであれば、留保金課税を受け入れるのも1つの選択肢と思いますが、抜本的な対策としては、、、、

会社を2つに分けること。

だと思います。

会社を二つに分けると実行税率も下がります。

1つの会社で、大きい利益を上げている場合と、2つの会社でそこそこの利益を上げている場合、比較すると、税率が変わってきます。

(注)平成19年4月1日以後開始する事業年度から資本金等の額が1億円以下の会社は、留保金課税が除外されます。この記事は、平成18年の記事です。参考までに注記しました(蛭田)


文章が長くなってきましたので、この「実行税率のアヤ」については、次回のブログで記載します。





(2006年11月16日公開)

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