損益分岐点比率 利益の源泉について考える

本日の日本経済新聞に、「製造業、高まる収益力 損益分岐点比率80%割れ」との記事がありました。

「人件費などの固定費の削減が進み、景気回復に伴う売り上げ増が利益を生み出しやすくなった。」とあります。

損益分岐点比率について、記載しますが、その前に、損益分岐点について、説明します。

損益分岐点とは、損益分岐点売上高。文字通り、損と益が分岐する(つまり利益が0となる。)売上高をいいます。

企業経営の目標として、損益分岐点以上の売上をあげないと赤字になってしまいますよ。という参考数値です。

計算式で記載すると、「売上-経費=0」の状態です。
この計算式のままだと、売上を上げましょう。経費を下げましょう。にしかなりません。

そこで、この「経費」を2種類に分類して計算するのが損益分岐点です。
変動費と固定費の2種類です。

「変動費」とは、売上が上がるに比例して、上がる経費です。
例えば、売上原価です。売上が増加すると増えますね。

「固定費」とは、売上の増減に関係なく、経常的にかかる経費です。
(日経のきょうのことばにも掲載されていましたが。)
例えば、家賃。支払利息です。売上が0でも係ってきますね。

さて、損益分岐点売上高の求め方ですが、

(1)「売上高-変動費」を求めます。
「限界利益」といいます。広い意味での粗利益です。

(2)「限界利益/売上高」で、限界利益率を求めます。広い意味での粗利益率です。

(3)「固定費/限界利益率」で、出た数字が損益分岐点売上高です。
この計算式からすると、利益を上げるには、複数の手立てがあることが分かります。

手のつけやすい順で記載します。
1、固定費を下げる。
2、限界利益率を上げる。(=粗利益率を上げる。)
3、売上高を上げる。

上記の3方向の手立てを検討することにより、利益が計上されやすくなるという訳です。
ただし、上記の手のつけやすい順、と利益率上昇の効果は、また別になってきますが。


ただ、売上を上げる努力をするだけでなく、経費について見直しをすると、より利益体質になってきます。

余談ですが、業種によって、変動費、固定費の分け方は異なってきます。
例えば、飲食店の人件費は、毎月、同額である店長さんなどの基本給は、固定費となりますが、アルバイトのホールスタッフの時給給与は変動費になってきます。
より正確な損益分岐点を求めようとすると、上述した売上の増加に伴い上昇する経費か否かにより、分類する必要があります。


次に、「損益分岐点比率」ですが、損益分岐点売上高を実際の売上高で割った数字です。
「損益分岐点売上高/実際の売上高」となります。

分母の「実際の売上高」が、より高額になればなるほど、利益額は大きくなってきます。
反対に、分子の方が大きければ、実際の売上高が損益分岐点に届いていないという事なので、赤字ですね。

業況が良くなりましたよ、という記事ですが、80%割れなどの書かれていると、悪い数値ではないかと思われるかもしれません。

起業の業績を示す数値は、大きい方が良い。という意味合いの数値が多いですが、中には、少ない(低い)方が良いものもあります。この損益分岐点比率は、その低い方が良い数値です。

企業経営上、とても重要な指標です。
実際に、自社の損益分岐点を把握されていらっしゃいますでしょうか?





(2006年09月04日公開)

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