社会保険料を「仕分け」しよう!

こんにちは。社労士の荒木です。

年が明け、そろそろ落ち着いてきた頃ですが、3月決算の企業では色々と予算を組む作業も始まるのではないでしょうか。

先日関与させていただいているお客様から、来年度の社会保険料がどのくらい上がるのか、概算額を試算して欲しいと要望いただきました。


一説には4割もの人が昨年の賃金額が下がったというこのご時世ですから、会社の行く末を慎重に見積もって「仕分け」したいと言う傾向のようです。


人事労務管理をどう「仕分け」していくかを考えてみませんか?

社会保険料率が上がることは、冒頭でもお伝えしていますが、単に上がることをそのまま経費の増加と見込める時代では無くなってきています。

そこで自社の人事労務管理のすすめ方を見直しして、少しでも社会保険料の上昇負担を軽減する方法を取ることをお勧めします。

例えば、賃金の見直し時期をいつにするか。

多くの企業では4月に賃金改定をする場合が多くありますね。

年度の切り替えや、新卒の入社時期にあわせるなどの理由があろうかと思いますが、
賃金改定を7月にずらすことをまずはお勧めします。


社会保険料を決める仕組みに、定時決定というものがあります。

4月5月6月の賃金の額を平均し、それに基づいて標準報酬月額を決定し、社会保険料が決まります。

標準報酬月額と言うのは、ある程度の賃金額の幅を一つの賃金額に設定するもので、例えば標準報酬月額20万円というのは、195,000円以上210,000円未満の賃金を指します。


仮にAさんの賃金額が209,000円であって、1,000円だけ昇給したとしたら、標準報酬月額は22万円となってしまいます。

標準報酬月額が2万円上がると、社会保険料は合計で約5,000円上がります。

会社と本人とで負担は折半となりますが、わずか1,000円の賃上げで、社会保険料の負担が5,000円増えるのは割に合いません。

しかし、7月に賃金額を改定する場合には随時改定という仕組みで社会保険料を決めます。

この随時改定の仕組みは、毎月決まって支給する固定的な賃金が改定された場合で、標準報酬月額が2等級上がる場合にのみ届出をします。

Aさんのケースでは、1等級のみの上昇なので、随時改定の対象から外れます。

つまり、賃金が上がっても今年のAさんの社会保険料は上がりません。


このAさんの社会保険料が改定されるのは、翌年ということになるので、1年間は負担の増額から免れることになります。

同じ賃金額の改定であっても、4月に行うのと、7月に行うのとで、こういう違いが起きるんです。

こういう小さな積み重ねで、社会保険料は節減できるのです。

社会保険労務士 荒木秀





(2010年01月18日公開)

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