パート雇用のツボ(パートさん活用法)

最近、多くの社長さんから、人材採用が難しいという声を聞きます。

景気が良くなったのに伴い、正社員の採用がままならない状況です。

そんな中、やはり熟練したパートさん、アルバイトは中小企業にとってとても重宝する重要な存在です。

パート採用にあたっての、ポイントをまとめた記事を紹介します。

このほど厚生労働省から平成18年パートタイム労働者総合実態調査結果が公表されました。

その調査結果の概要に触れながら、来年4月に施行されるパートタイム労働法の改正内容などを踏まえた上で、これからのパートタイマーの雇用管理のツボについて数回に渡ってお伝えしていきます。

まず今回はパートタイム労働者総合実態調査結果の内容をお知らせしていきます。

パートを雇用している事業所の割合は66.3%で、5年前に比べ4.2%増加しており、業種別に見ると飲食店・宿泊業が91.3%と最も多く、次いで医療・福祉83.3%、教育・学習支援業79.2%の順となっています。

全ての労働者に対するパートの割合は30.7%で5年前より4.2%も比率が高まっていて、男女別にみると、パート等労働者の割合は男15.5%(前回12.1%)、女52.4%(前回46.8%)となっており、男女共にパートの比率が高まっています。

前回(平成13年)の調査では労働者の人数が3988万人であったのが、今回は3735万人と、253万人減少しています。

中身を見ると正社員は2930万人から2586万人に344万人減っているのに、パートの場合はパートは1058万人から1148万人と90万人増加しています。

総数も正社員の人数も減っているのに、パートの人数は増えている、これが最近の雇用の実態を端的に表している数字だと思います。

失業率が低下しているとはいっても、その実態はパート雇用の増加によるもので正社員雇用は大幅に減少しているのです。

景気が良い、特に雇用環境が改善してきたと言われておりますが、消費の最前線において実感しないところとのギャップはこんなところにあるのかもしれません。

パートの雇用理由(複数回答)をみると、「人件費が割安だから」とする事業所が最も多く66.5%、次いで「1日の忙しい時間帯に対処するため」が40.2%となっています。

前回調査と比較した場合、「業務が増加したから」、「経験・知識・技能のある人を採用したいから」、「定年社員の再雇用・勤務延長策として」、「退職した女性正社員の再雇用に役立つから」が上昇し、「一時的な繁忙に対処するため」、「仕事量が減ったときに雇用調整が容易だから」がやや低下しています。

これを働く立場の側から、パートとして働く理由を見てみると、「自分の都合のよい時間(日)に働きたいから」が最も多く、42.7%となっており、次いで「勤務時間・日数が短いから」が多く42.4%となっています。

職務が正社員とほとんど同じパートの有無についてみると、「いる」とする事業所が、42.5%、「いない」とする事業所が、56.1%となっています。

また、「いる」とする事業所のうち、職務が正社員とほとんど同じパートが、パート全体に占める割合は、「8割以上」とする事業所が22.2%となっています。

同じ仕事内容である正社員と比べたパートの賃金の水準は「ほぼ同額」とする事業所は14.5%、「9割程度」、「8割程度」、「7割程度」、「6割程度以下」とする事業所はそれぞれ12.8%、24.4%、19.9%、8.5%となっています。

随分と差があるものですよね。

働き方の「格差問題」として言われている最大のポイントがここにあるかと思います。

この点が今一番問題となっている点で、改正パートタイム労働法では、仕事に差がないならば、時間あたりの賃金を正社員とパートで同じにすべきだとしており、今回は努力義務となりましたが、いずれ義務化したいのが国の考え方のようです。

また雇用する側にとって、必要な時に必用な労働力を確保しようとしたら、正社員より時間当たりの賃金がむしろ高くなってもしかるべきではと、経済の原則からすると考えられないでしょうか。

そこで賃金の差がある理由を見ると雇用する側も、働く側についても同じ理由があり、そこで賃金格差があることが納得できるものがあります。

雇用する側の理由として「勤務時間の自由度が違うから」が最も多く62.9%、次いで、「責任の重さが違うから」が51.6% 、「もともとそういった契約内容で労働者も納得しているから」が46.0%となっています。

働く側のなかでも賃金が正社員と比べて「低いと感じたことがあるが納得できる」とする者の割合が41.1 %、低いと感じたことはない16.6%と6割近くに達し、その納得できる理由(複数回答)についてみると、「勤務時間の自由度が違うから」が最も多く55.9 %となっており、次いで「もともとそういった内容で自分も納得している」、「責任の重さが違うから」が多く、それぞれ、51.5%、50.7%となっています。

ただし「低いと感じたことがあり納得できない」とする割合が26.8%あり、その由では「同じ仕事をしているにもかかわらず格差があるから」が81.4%もあります。

また会社に対する不満・不安がある者は63%あり、不満・不安の内容(複数回答)をみると、「賃金が安い」が61.8%(前回51.1%)と最も多く、次いで「有給休暇がとりにくい」26.2%(前回19.2%)、「パート等としては仕事がきつい」24.1%(前回14.9%)の順となっています。

今のところは働き易さから賃金が低いことを納得している割合が多くなっていますが、正社員との時間当たりの賃金の格差については厳しい味方をする割合が徐々に増えてきていると言えるでしょう。

ならばどれくらいが納得できる賃金かというと、「正社員と同じ」とする人の割合は13%しかおらず、続いて「9割程度」、「8割程度」、「7割程度」、「6割程度以下でよい」が、14.6%、32.6%、15.5%、5%となっています。

これから見ると8割程度であればある程度納得がいき、9割だと満足度が高くなるといえるのではないかと思います。

最低8割、出来れば9割にしましょうというのが、正社員と比べた賃金水準であるようですね。

以上、引用は、株式会社 ヒューマンリソースみらいの社会保険労務士 荒木秀氏より

2007年11月26日

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