生命保険の活用1~仕組み編~
昨日のブログに、生命保険について記載がありましたので、今日は税理士からみた生命保険活用について、記載したいと思います。
まずは、基本的なことを記載します。
生命保険の種類は、大きく分けて、次の3種類になります。
1)定期保険
2)養老保険
3)終身保険
保険会社によって、色々ネーミングされていますが、結局は、上記の3種類に分けられます。
(様々なネーミングがあることによって、非常に多種類の保険商品があり、複雑なように感じますが、大きく上記の3種類に分類されるのです。)
さて、各生命保険の性格を簡単に記載します。
1)定期保険
いわば、掛け捨て保険です。(定期というと、一見お金が溜まるイメージがしますが、掛け捨てです。保障期間を定めて、という意味で“定期”保険といいます。)
2)養老保険
あらかじめ保障期間が定められており、保障期間中に死亡した場合にはもちろん、生存して保障期間を終了した場合、のふたつの場合に保険金が降りるのが特徴です。
3)終身保険
死亡するまで、つまり“終身”の保障期間です。
死んだ時に保険金が降ります。最近は、余命○ヶ月の診断で保険金が降りたりします。
(死んだ時の為の貯金のようでもあります。)
保険金に比較して、支払い保険料が安いのが、1)→2)→3)の順番です。(当然ですね。)
会社が“節税を目的”に活用する保険商品は、1)の定期保険、2)の養老保険がポピュラーです。
なぜ、節税を目的に生命保険を活用するのかといいますと、
○支払った金額が経費になる。
○将来的に戻ってくるため、無駄遣いにはならない。
の理由からです。
利益に対する税金を払いたくないからといって、必要のない出費をしたら、ただの無駄遣いに終わってしまいます。ひょっとすると、そのまま税金を払った方が、お金は残ったかも。。。。なんてケースもあります。
定期保険は掛け捨て保険であっても、解約返戻金を大きく設計する事が可能なのです。
例えば、ある40歳の社長が、年間保険料100万円、60歳時に1,900万円の解約返戻金となる定期保険に会社を契約者として入ったとします。
(保険期間や保険期間満了時の被保険者の年齢などにより、経費に計上できる割合が異なりますが、説明の簡略化のため、全額経費になる場合とします。)
20年間での支払い保険料総額は、2,000万円です。
解約時(60歳になったとき)時点で、
1,900万円-2,000万円=▲100万円
となった場合、加入するメリットは、保険期間中に何かあった場合の保障のみですね。
(当然、保険ですから)
上記算式に、税の項目を加えます。
もし、20年間黒字だったとしたら、毎年100万円の保険料という経費があるので、100万円×41%(実効税率)=41万円の節税になりますので、20年間だと合計820万円の節税です。
この820万円を上記の式に加えると、
(1,900万円+820万円)-2,000万円=720万円
結果として、20年間で720万円得しましたね。という事になります。
ここまでは、よろしいでしょうか。
しかし、節税だけを考えて、保険に加入すると失敗するケースもあるのです。
次回は、保険活用のその他のメリット、気をつけるべき点、最近の改正動向について、記載します。
2006年10月19日