年末調整の注意点

平成19年分(来年度)以降の主な所得税の変更点

今年も後2ヶ月を切り年末調整の時期がやってきました。
企業でも年末調整の準備が始まっているのではないでしょうか?

以下に、平成18年の所得税の計算方法の変更点及び平成19年以降は、大きく所得税率も変わるため、平成19年以降の変更点についても記載してゆきたいと思います。


○平成18年度の所得税の計算方法の変更

(1)定率減税の引き下げ

昨年まで扶養控除等の各種控除額を差し引いて確定した年税額から20%相当額(最高25万円)をさらに控除することができましたが、平成18年は定率控除額が年税額の10%相当額(最高12万5千円)までとなります。

この定率減税の措置ですが平成18年度税制改正で、平成19年度以後は廃止されることが決まっています。

(2)1年以上経過未払役員賞与の源泉徴収

法人が利益処分による経理をした賞与(損金経理をした役員賞与のうちに損金の額に参入されないものがあるときには、これを含みます。)があるときは、その支払い確定日から1年を経過した日までに、その支払いがない場合には、その1年を経過した日に、支払いがあったものとみなして、所得税の源泉徴収を行うこととなりました。

※この改正は、会社法施行の日(平成18年5月1日)以後に支払いの確定した役員に対する賞与について適用されますので、平成18年の年末時点では、まだ1年経過しておりませんので、実質、平成19年から、この措置が適用されることになるかと思われます。

(3)勤労学生控除の対象となる専修学校及び各種学校の設置者の範囲が拡大されました。

勤労学生控除の対処となる専修学校等に範囲が拡大されました。

詳しくは、お問い合わせ下さい。

ちなみに、勤労学生控除とは、納税者が所得税法上の勤労学生に当てはまる場合に受けられる所得控除です。控除できる金額は27万円です。

勤労学生とは、その年の12月31日現在において次の三つの条件のすべてに当てはまる人です。
1)給与所得などの勤労による所得があること
2)合計所得金額が65万円以下であること。
しかも勤労によらない所得が10万円以下であること
例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除65万円を差し引くと所得金額が65万円以下となります。
3)特定の学校の学生や生徒であること


○平成19年以降の所得税の計算方法の変更

(4)所得税率の見直し

これまで課税所得の金額に応じて4段階(10%、20%、30%、37%)の税率が設定されていましたが、平成19年以後は6段階(5%、10%、20%、23%、33%、40%)とより細分化されます。


これに伴い、平成19年度1月1日以後に支払う給与等の源泉徴収税額表も変更になります。ここで平成18年度と平成19年度の源泉徴収税額表をお持ちの方は見比べてみてください。ほとんどの方の源泉徴収税額が平成18年と比べて下がっているのではないでしょうか。

これは、地方分権を進めるため、国税(所得税)から地方税(住民税)への税源移譲が行われる関係です。
そのためほとんどの方の所得税が平成19年1月から減り、住民税が平成19年6月から増えるという現象が起きます。所得税と住民税を合わせた負担額は、収入の増減にもよりますが基本的にほとんど変わることはありません。

所得税と住民税の比率が大きく変わるものとお考え下さい。

ちなみに所得税と住民税の変動にタイムラグが生じるのは、年末調整や確定申告で決定した前年度の所得をもとに住民税が計算されるためです。つまり平成19年度6月からの住民税は今年度(平成18年度)の所得をもとに計算されることになります。

(参考)住民税の税率
平成18年度分までの住民税の所得割(所得に対して係る部分)は、5%~13%の3段階の累進税率です。
平成19年度からは、これが一律10%に変更になります。

来年度の源泉徴収額や住民税が今年度と大きく変わってもびっくりされないようあらかじめご承知おきください。

(文責:木戸一貴)





(2006年11月20日公開)

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