健康診断は労働時間か!?

こんにちは。社労士の荒木です。

今日は健康診断と労働時間の関係について考えてみましょう。

一口に健康診断といってもいっても、さまざまなものがありますが、ここでは一番一般的な定期健康診断について考えます。

健康診断を受ける時間が労働時間に入れるかどうかということは、実は労働時間に含めなくても良いとされているんです。


健康診断は「当然」のこと、と考えると不思議な感じがします。


健康診断というのは、会社側からすれば雇っている従業員の健康を確保するために実施する義務を負っています。

これに違反すると50万円以下の罰金に処せられます。


一方で、会社が従業員に健康診断を受診させようにも、本人が受診を拒むような場合には首に縄をつけてでも受診させるような強制は出来ません。

そのため従業員にも会社が行う健康診断を受ける義務が課せられていますが、法律上の義務といっても従業員には罰則はありません。

ただし、従業員としても労働力を万全な状態で提供することは、労働契約上の義務ですので、従業員が健康診断を受けないことについて、何らかの制裁を課すことについては最高裁の判例で認められています。


さて話を本題に戻しますが、それでは健康診断を受ける際の時間について、本当に労働時間としなくても良いのでしょうか?


この点での行政解釈はこのようになってるんです。

「一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく、労使協議によって定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業主が支払うことが望ましいこと。」(昭47.9.18基発第602号)


この文中に「当然にして事業者の負担すべきものではない」というのが、労働時間に含めなくてもよいということの根拠です。

ただし、賃金については労働時間としないならば、検診に関する時間を控除しても良いのではということに関しては、「支払うのが望ましい」となっています。

ここでも強制的な表現ではなく、労使の話し合いで決めるべきだけど、賃金を払う方が良いでしょう、という玉虫色の表現です。

これからいくと、一般健康診断の賃金は支払わないことも可能という判断ができるということになります。

ただし、健康診断を行うことが労使双方の義務ですが、健康な状態であることは会社にもメリットがあることを考えると健康診断に要する時間の賃金は、支払ったほうが良いと私は考えます。


会社も個人も健康あっての賜物ですよね。

そろそろ私もメタボ腹を気にしながら、健康診断を申し込もうと思っています。


社会保険労務士 荒木秀






(2010年07月14日公開)

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