小さな基本に手を抜かない

こんにちは。社会保険労務士の荒木です。   

私は家庭でも会社でも口うるさいと思われています。

最近包囲網がしかれました。

「男のくせに、細かいところに口出しするんじゃない!」ということでしょうか。

「扉は開けたら必ず閉めろ。」

「書類の作成上でのチェックをしっかりやろう。」

と、注意することは至極簡単なことばかりです。

大のオトナに向けていう言葉ではないかもしれません。

うるさい親父と煙たがられておりますが、一向に変える気持ちは有りません。

小さなこと、基本的なことを疎かにしていると、いつか大きな事故を起こしてしまうからです。

最近私の周りで、健康に関する問題が多発しております。

私にとって最初に関与先となった企業さんでも、大幹部が悪性腫瘍の手術を先週

受けております。

まだバリバリの50過ぎです。

健康診断で異常が発見されたのですが、実は去年の健康診断を受けていなかった

のです。

忙しい、面倒くさい、ついなんとなく。

多分そんな理由です。

昨年検診を受けていれば早期に発見できて、対処も軽く出来たでしょうが、今に

至ってはかなりの重症となっているようです。

本人の責任と片付けてしまえば簡単ですがそういうわけにはいきません。

会社にとっても厳しい経済環境においてここ一番の働きを期待していた矢先

なので、飛車落ちで闘わなければならない重大な危機です。

営業の責任者が抜けてしまうんですよ!

問題は会社が健康診断の受信状況をチェックしていなかったこと。

基本的なことを放置していたばかりに、問題が大きくなって経営を揺るがす大問

題に発展していることです。

話が変わりますが、ニューヨークという都市は、以前は重大犯罪が多発している

地域で、特にハーレムなどは危険だといわれていたのは皆さんご存知だと思いま

す。

地下鉄の落書きもひどかったですよね。

現在はかなり改善されて、安心して過ごせる街になってきているようです。

重大犯罪が多発していた街が、安心して暮らせる街にどうやって変わったか。

要因は様々ですが、小犯罪を徹底して取り締まったことが大きな効果を発揮した

ことは有名です。

市民が市民生活を行う際の基本的なルールを徹底して守ろうとするようになるた

めに、小さな犯罪を無くすようにしていったのです。

今ではアメリカの人口100万以上の都市において、犯罪率は一番低くなってい

ます。

小さな、基本的なことを徹底する。

それが重大犯罪を減らすことに大きな役目を果たしたのです。

経営においても同じようなことは無いですか?

「分かっていたんだけど、緊急な課題じゃなかったから後回しにしていた。」

大きな問題に発展してから後悔しても、後の祭りになって大きな事故や損失に

つながることが非常に多くないでしょうか?

特に労務管理はそういう傾向があります。

経営者の方と話していても、いずれやらなければいけないことは分かっている

との認識を持っている方は非常に多くいます。

労務管理ということは、一見地味なことですし、効果の程は目に見えることは

平常時は少ないものです。

書類の作成など事務手続きに面倒なことが非常に多く有ります。

雇用契約書をきちんと取り交わす、

社会保険の適用は不正をしない、

給与計算を間違わない、

就業規則や36協定をきちんと届け出る、

残業の時間管理を徹底して会社からの指示としていく、

などなどどれも基本的なことばかりです。

労務管理というのは基本的に難しいことは無いのです。

「手を抜いても会社経営には問題ない、今までも何とも無かった。」、

そう思って後回しにしている会社は多いですね。

でも労務管理の基本を怠っていたばかりに、厳しい環境になったり、問題社員が

発生した時に、大きな負担を強いられてしまうものなんです。

また評価制度など大きなことをコンサル会社に多額の費用を掛けて、安心して

無駄なお金をかけていませんか?

社員が仕事に専念出来る環境を作ることは、まずは基本の徹底からですよ。

今の緊急な経済に対応するためにも、小さなこと、基本的なことに、手を抜かな

いことをやりましょう。

私も今以上に、もっと口うるさくしなけりゃいけないかなって、感じている今朝

です。

社会保険労務士 荒木秀

2009年7月14日

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