雇用保険法が今日(3/31)改正施行されます

社会保険労務士の荒木です。

雇用保険法が今日の3/31に改正施行されます。

今回雇用保険法が改正された背景は、昨年秋からの急激な経済環境の悪化に伴い、派遣やパート、契約社員などの非正規雇用者を中心に大量の雇用調整が発生したことによります。

早速解説していきます。

派遣などで働く労働者が安心して働けるセーフティーネット機能を拡充させるこ
とを主眼とした改正内容で、大きく分けると下記の5つの内容になっております。

1.非正規労働者に対するセーフティーネットの機能の強化
2.再就職が困難な場合の支援の強化
3.安定した再就職へのインセンティブ強化
4.育児休業給付の見直し
5.雇用保険料率の見直し


1.非正規労働者に対するセーフティーネットの機能の強化
雇用保険の適用基準を「1年以上」雇用の見込みから「6ヶ月」へ緩和され、
雇用保険に加入する要件が拡大されました。

例えばパートなどが多く働く職場で、人員の入れ替わりが多く発生する職場にお
いては、雇用してから一年以上継続して働いた従業員を、雇用保険に加入させて
いたケースがあったと思います。

この場合には雇用保険の加入の判断を、雇用開始から1年ではなく6ヶ月の時点
で判断することが必要になりました。

契約更新されなかったために離職(いわゆる雇い止め)した有期雇用労働者に
ついて、受給資格要件が12ヶ月から6ヶ月へ緩和されました。

これは以前の改正時に6ヶ月から12ヶ月になったのを、緩和したものですが、
あくまでも会社側の都合により雇い止めにあった場合に限られます。

また3年間の暫定処置になりますが、給付日数が解雇などによる離職者並みに
する拡充措置が設けられました。


2.再就職が困難な場合の支援の強化
解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏
まえ、特に再就職が困難な場合に、給付日数を60日分延長 (例えば所定給付
日数が90日の場合→150日)となりました。

これも3年間の暫定措置です。


3.安定した再就職へのインセンティブ強化
基本手当(俗に言う失業手当)も貰おうとする人が、早期に再就職した場合に支
給される「再就職手当」の支給要件緩和・給付率の引上げが行われます。

給付率については30%としていたものを40%または50%にしますが、こちらも3
年間の暫定措置になっています。

また就職困難者(障害者等)が安定した職業に就いた場合に支給される「常用就
職支度手当」について対象範囲が拡大されて、年長フリーター層がついかされま
した。

給付率についてもの3年間の暫定措置で30%→40%に引上げられます。


4.育児休業給付の見直し
平成22年3月末まで給付率を引き上げている暫定措置(40%→50%)を当分の
間延長することになりました。

また休業中と復帰後に分けて支給している給付を統合し、全額を休業期間中に支
給されることになります。

育児休業を取りやすくするという意味では非常に嬉しい改正です。

5.雇用保険料率の見直し
雇用保険料率(労使折半)を平成21年度に限り、0.4%引下げ(1.2%→
0.8 %)となりました。

従業員からの雇用保険料の徴収について、4月分の給料から早速修正をしなけれ
ばなりませんのでお気をつけ下さい。

また国に納付する雇用保険料については、来年度の納付の際に今回の見直しが反
映されることになります。

雇用保険の給付内容を拡充しながらの保険料率の見直しは、一見矛盾しているよ
うでもありますが、事業主にとっては大変嬉しいことですね。


今回の改正で特徴的なのは、施行日が3月31日であると言うことです。

これは特に上記の1に該当する非正規雇用者の雇い止めが、年度末である明日付
けで多く発生することであろうと予測されるためです。

法律の改正から施行までの期間が非常に短く、しかも年度末からというイレギュ
ラーな体制であることは、それだけこの改正が重要であることを意味しています。

多くの事業所にとって関わりのあることだと思いますので、しっかり対応して頂
きたいと思います。


社会保険労務士 荒木秀





(2009年03月31日公開)

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