中小企業緊急雇用安定助成金

こんにちは。社会保険労務士の荒木です。

先週木・金と名古屋近郊におりました。

数ヶ月前までは日本で一番景気の良かった地域。

金曜日はなんとなく道路がスイスイと運転できるので「???」と感じていたら、

トヨタ関係が一斉に休業していたんですね。

当面は金曜休みが継続しそうで、地域経済に与える影響は計り知れません。

実際に私の周りでも受注高が7割減という会社がごろごろしており、

まさにこれは恐慌といっても良いのではないでしょうか。

今マスコミでは派遣切りを問題視していますが、恐慌時の対応としては

派遣切りだけで済みそうではありません。

大幅な業績ダウンを目の前にして、人件費にも手を掛けなければいけない会社が

急増しているでしょう。

そこで人件費の削減策として、従業員を解雇する前に会社が出来ることについて

話をしてみたいと思います。

まず今回は雇用維持のための助成金の話です。

中小企業緊急雇用安定助成金と言う助成金が昨年12月から始まりました。

言葉だけは知っている方も多いと思います。

この助成金の目的を簡単に言うと、

昨今のような情勢で企業活動を縮小しなければならない企業が、

社員を休ませたりする場合に、休業手当や教育訓練に関わる費用の

一部を助成するものです。

雇用調整助成金は従来からありましたが、それより更に条件が良いもので中小企

業事業主が対象になっています。

受給するための前提条件ですが、

(1)業績に関して

 ○最近3ヶ月の生産量がその直前3ヶ月又は前年同期比で減少していること。

 ○前期決算等の経常利益が赤字であること

  (生産量が5%以上減少している場合は不要。)

となっており、その事業所が

(2)従業員の全一日の休業または事業所全員一斉の短時間休業を行うこと

 又は

(3)3ヶ月以上1年以内の出向を行うこと

の場合に下記の受給額を受給できることになります。

受給できる金額はというと、休業等の場合では

休業手当相当額の4/5(上限あり)を3年間で200日(最初の1年間で100日分まで)

支給されます。

教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日6,000円を加算されることになります。

また出向させた際には出向元で負担した賃金の4/5が支給されるものです。

労働基準法では事業主の都合により従業員を休業させるときには、休業手当を支

払わなくてはならないことになっています。

休業手当の金額は、平均賃金(過去3ヶ月の賃金総額をその期間の暦日数で割っ

たもの)の60%以上とされています。

助成されるのはこの休業手当に対する4/5になるので、元の賃金の48%≒5割

を国が負担してくれることになります。

実際の受給申請においては8割以上の手当を支給するように当局から要望される

ので、64%も助成をしてくれることになるというものです。

ここまで条件の良い助成金は見たことがありません。

国としても雇用の維持に真剣に取り組んでいることが伺えますね。

ただし細かいところで支給の要件が沢山有って、紙面の都合上ここでは伝え切れません。

いずれにしてもこの助成金を活用すれば、当面の間従業員の雇用を守ることが出来ます。

行政の窓口は、労働局かハローワークとなっております。

是非検討してみてください。

社会保険労務士 荒木秀

2009年2月2日

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