高齢化社会とリバース・モーゲージ制度

2006年12月に発表された政府の新人口推計によると、日本の総人口は2055年には1億人を下回りおよそ8,990万人になる、といわれており、65歳以上の高齢者はおよそ3,640万人に達するとされ、人口に占める高齢化率は40%超になるといわれております。

政府によると「現役世代の収入の5割」の年金給付維持が私たちに約束されているとのことですが、国会における年金横領問題等のやり取りを見ても、まさに老後の不安は募るばかりであることは否定できません。

そこで私たちの「衣・食・住」のうち、「住」について何かいい方法はないものか、と考えてみましたところ、「リバース・モーゲージ」制度に思いあたりましたので、簡単に紹介させていただきます。

「リバース・モーゲージ」とは、「逆抵当融資」と訳されることが多く、イメージとしては「住宅ローンの逆」、といったところです。

住宅ローンは購入時に一括して資金を借り入れ、少しずつ返済して最後に不動産を自分の資産にするのに対し、リバース・モーゲージ制度は、公的または民間の金融機関や住宅メーカーあるいは国や地方自治体等が主体となり、主として高齢者が居住する土地等を担保として、ゆとりある生活資金を定期的あるいは一時的に融資し、契約が終了した時(死亡時)にその担保に供した土地やあるいは他の金融資産をもって一括して返済(精算)する制度です。

この制度によると、生活費を借りている間は元金の返済や利息の支払をする必要がなく、借り入れ限度額に達した場合でも、死亡するまでは担保に供した自宅に居住することが可能です。

そして、社会的に見ると、年々逓減しつつある年金等の社会保障制度に関しても、高齢者による依存体制を和らげるだけでなく、高齢者世帯の消費の活性化や不動産の流動化にも影響があるものと考えられます。

具体的な融資制度については、大別すると(1)公的機関がかかわる場合と、(2)民間金融機関や住宅メーカーの独自商品の場合があり、(1)については(ア)公的機関が直接貸付金額や利息の支払等の全てを関与する直接融資方式と、(イ)公的機関が金融機関を斡旋し、利用者への融資は金融機関から行われる間接融資方式、の2種類があります。

(1)(ア)については1981年に東京都武蔵野市が日本で始めてこの制度を導入し、以後東京都中野区、世田谷区、兵庫県神戸市などの自治体で導入されております。

ただし、制度利用上の注意点としては、貸付サイドからは地価下落に伴う「担保割れ」の危険性や、利用者サイドからは景気変動に伴う「金利上昇」などのリスクが挙げられる等、潜在するリスクへの対応策をより良いものにしていくとともに、需要の顕在化を図り、より利用者サイドに立った利用しやすい環境を整える必要があると思います。


行政書士 小松原励





(2007年11月29日公開)

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